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三友社 140周年記念小史

創業140周年記念の社史を編纂・デザイン

2018年 株式会社ROOM810

・グラフィックデザイン
・リサーチ
・ライティング

島 健:
ディレクション / ライティング / 歴史考証
土屋奈緒:
デザイナー

創業140周年記念の社史を編纂・デザイン

2018年に創業140周年を迎えた老舗印刷会社・三友社の周年記念事業として、社史を網羅した小冊子の編集・デザインを手がけました。

創業は140年前、1878年に遡ります。
数字だけ聞くとピンと来ませんが、大河ドラマ「西郷どん」で取り上げられた西南戦争が勃発したのが1877年と云えば、その凄みが伝わるでしょうか。
初代である創業社長は地本問屋(浮世絵や『東海道中膝栗毛』などの書籍を編集・印刷・製本・小売まで一貫して手がける江戸時代の書店)で修行中に戊辰戦争・上野彰義隊の戦火に巻き込まれ、独立を決意したという文字通り歴史の荒波をくぐり抜けてきた企業です。

ご依頼はただ冊子のデザインに留まらず、その社史自体の編集・ライティングを含んだものでした。
戦前は都内を代表する出版取次業の担い手であったという同社に残された、十八史略やナショナルリーダーなど明治時代の出版黎明期に刊行された貴重な書籍の数々や、会長が先代から聞かされたり社内で伝聞として残っていたエピソードなどをヒアリングして、それが史実と一致しているのか、食い違っている場合はその差はどこから産まれたのかを地道に検証。デザイン会社の枠を超えた作業に取り組みました。

こうした作業は元雑誌編集者かつ歴史好きというグラフィック部門のディレクター・島の特技を活かしたものですが、社員の前職に囚われず、見た目を整えるという狭義の日本語での「デザイン」だけでなく、コンテンツを作りブランディングを確立して最終的に成果物としてお渡しするという「ブランディングに特化したデザイン会社」であるROOM810ならではの基本スタンス、考え方が偶々「社史テキストのライティング」「歴史考証」というアウトプットとして発揮されたもので、ご依頼自体も「歴史好きだから」という理由では勿論ありません。

最終的に仕上がった冊子は、まさに明治から平成までの出版・印刷の歴史を網羅して、同社の歴史を通して時代の移り変わりが鮮やかに感じられる一冊となりました。
出版取次として成長した同社が第二次世界大戦中の情報統制を受けて国策会社にその事業を統合され、空襲で機械を失い、戦後はGHQの指導を受けて新たに印刷業として生まれ変わり、高度経済成長期の中で二桁成長を続ける印刷業の好況に合わせて再び社運隆盛を極めるまで、冊子を手に取る社員・取引先の皆さんに伝えたかったのは単なる歴史の薀蓄ではなく、激動の時代を生き延びてきた歴史と先人を持つ自社への誇りです。

シンプルなデザインですが、思い出深い仕事となりました。ROOM810は未だ創業10年。まずは20年を目指してブランディングを積み重ねて参ります。

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