3月11日の東日本大震災。被災された東北の皆さんにとっては勿論ですが、東京に暮らす我々にとってもその影響は甚大なものでした。
飲食店など、当時ROOM810が主要取引先としていたクライアントは軒並み新店舗の計画など私たちの仕事に繋がるプロジェクトを中止、イベントなども自粛が相次ぎました。自分たちの仕事も無くなってしまう。そんな中でROOM810が考え至ったのは、「こういう時にジタバタしても仕方ない。むしろ東北の人たちの役に立つ活動を何かしたい」という、営利法人としては諦めの境地にも似た結論でした。
災害直後は繰り返し同じ映像をシャワーのように流すテレビも、すぐに次の情報に飛びついて震災の記憶が風化してしまう。
そうではなく、一人一人が出来る事は僅かでも、震災のことをいつまでも忘れず、何年も何十年も東京で続けられる復興支援の形を模索して、被災地の人たちに「あなた達のことをいつまでも忘れず、気にかけている人がこんない居ますよ」というメッセージを伝えたい。思いやりがシャワーのように降り注ぐ場を作りたい。
そんな気持ちで始まったONE HEART SHOWERは、その後も数ヶ月に一度のペースでコンスタントに継続され、2018年現在で30回以上を数える長寿イベントとなりました。東北のお酒やフードを愉しんでいただいて、その収益金を復興支援基金として、ROOM810が直接被災地に赴いて有志のアーティストや飲食関係者と慰問ライブや炊き出しを行う。
この形で陸前高田や石巻に私たちの思いを届けてきました。この活動をさらに進化させるために立ち上げたのがNPO法人TOKYO L.O.C.A.Lです。
記念すべき第一回が開催されたこの日を、ROOM810の年表に残しておきます。