2018年 株式会社ROOM810
齋藤 悠 /込山琴音 / 鎌田玲:
設計・インテリアデザイン
島 健 / 伊藤 巧 / 土屋奈緒 / 坂本皐:
グラフィックデザイン
齋藤 悠 / 島 健 / 鈴木友子 / 丸山慎二郎:
コンセプト・ブランディング
藤田"RICH"雅也:
写真撮影
丸山慎二郎:
プロデュース
株式会社ROOM810ではこの度、2018年11月に大阪・なんばに新しく誕生したホテル「CEN大阪難波」のデザイン、プロデュースを手がけました。
「CEN」は日本全国に30件近いホテルを展開するセンチュリオンホテルグループの、「センチュリオンホテル」に続く新ブランドという位置付けです。同グループが大阪エリアへ初上陸するにあたり、従来の同グループホテルブランドとは少し異なるイメージ、宿泊体験をお客様にお届けしたいという思いを受けて、私たちROOM810がホテルのブランディングやインテリアデザインなどを担当することになりました。
これまで愛されてきた「センチュリオンホテル」ブランドのエッセンスを受け継ぎ、よりカジュアルでコト消費にシフトしたホテルとして、「CEN」という名前が最初に決まりました。続いて、大阪の中心地、なんばに位置するホテルとして、「TODAY’S BED」「街の中心であなたと街を線で繋ぐ宿」というコンセプトが生まれました。
海外からのお客様も多い立地に合わせて、カジュアル感と和の雰囲気を表現できる法被をモチーフにデザインしたオリジナルユニフォームを作りました。ホテルの顔となるエントランスや1F部分はカジュアルになり過ぎて安っぽい印象を与えぬよう、ROOM810でインテリアデザインや照明設計を施し、ホテルらしい上質な空間に仕上げています。
館内のサインやピクトグラムも和モダンを意識した仕上がり。
カードキーも花札デザインのものをオリジナルで制作しています。すべて私たちが選定・制作して空間を作り上げるのではなく、最後にホテル運営者の方が自ら購入する熊手を飾ってインテリアが完成するという細やかな仕掛けも、共にブランディングを作り上げるROOM810ならではです。
宿泊のお客様とカフェを利用する一般のお客様が受ける空間の印象が違うのも、今回CENでこだわったポイントです。
和を感じさせる要素はあくまで海外からお越しになるお客様など、館内に滞在されるお客様に向けて押し出されており、外観や道路に向かって開かれたカフェスペースは、大都市・大阪の中心部なんばに相応しい、都会的な佇まいに。
宿泊時の朝食はもちろん、気軽に街を行く皆さんにもご利用いただきたい。街にとけこむホテルでありたい。
そんな思いを反映した飲食メニューのコンセプトや使われている食器類も、私たちROOM810のプロデュースによるものです。
また、今回は大阪の中心地なんばという立地もあり、街自体がホテルのコンテンツであると考えました。SNSなどで魅力的な大阪の姿を発信することもホテルのブランディングで大切な要素になります。定番からちょっと変わったスポットまで、ホテル至近のエリアでの広報用素材撮影も私たちで手がけました。
オープン時にはレセプションパーティーのイベント企画制作からブッキングまでを担当。
「顔見世祭り」と題して、近隣住民の方もご招待した、まさに新しいホテルの地域への顔見世に相応しい催しとなりました。
書道家・紅舟さんによる「千客萬来」の文字を畫くライブ書道パフォーマンス、ガダルカナル・タカさん、浅草キッド・玉袋筋太郎さんによるトークショーなど、東京から大阪に初上陸のホテルチェーンらしい、関東の笑いを届けるレセプションパーティーを実現できました。
インテリア、メディア、グラフィック。ROOM810が持つ三部門の力を結集して、そのコラボレーションの結果が「ブランディング」となる。まさに2018年のROOM810を象徴する案件となりました。現在CENブランドで別ホテルもプロデュース、内装デザインを手がけています。