2019年 株式会社ROOM810
齋藤 悠:
コンセプト・デザイン
込山琴音:
設計デザイン
島 健 / 土屋奈緒 / 坂本皐 / 林子婷:
グラフィックデザイン( Web / ペーパーアイテム etc.)
伊藤 巧:
ユニフォームデザイン
藤田"RICH"雅也:
写真撮影
丸山慎二郎:
プロデュース
東京23区で唯一、スターバックスもサーティーワンも一店舗も無い。それが荒川区です。
この度、ROOM810では、そんな長らくカフェ不毛の地と言われてきた荒川区・町屋エリアで恐らく最大規模となるカフェ・ダイナー、「TOKYO L.O.C.A.L BASE(以下、T.L.B)」の設計・デザインを手がけました。
このT.L.Bは以下の三つの顔を持ち、街にとって大切な役割を担うために誕生したお店です。
1. 街の皆さんに愛され、憩いの場として人が集まるカフェ・ダイナーとしての役割
2. 地域の活性化とブランディングを行うNPO法人TOKYO L.O.C.A.Lの拠点としての役割
3. インキュベーション・カフェとしての役割
実はこちらのT.L.Bを運営するNPO法人TOKYO L.O.C.A.Lは、丸山・鈴木・齋藤・島などROOM810の中核メンバーが理事やプロデューサーとして名を連ね、ROOM810が母体となって誕生したNPO法人です。内装デザインと共に、少しお店の概要を説明させてください。
1. 街の皆さんに愛され、憩いの場として人が集まるカフェ・ダイナーとしての役割
まずは難しいことは考えず、普段使いできるカフェとして、またお酒と料理を楽しむダイナーとしてご来店ください。
ベビーカーや車椅子でも入りやすいエントランス(横幅85cm以上)に、おむつ交換台付きのトイレ、自転車置場もご用意しました。
テイクアウトが可能なコーヒーはもちろん、町屋らしく気取りすぎず、ヘルシーだけどボリュームたっぷりに仕上げたカスタムサラダやローストビーフをはじめとするダイナーメニューの数々で、これまで当該エリアには無かった「大人数での地元使いが出来るカフェ・ダイナー」として、皆さんのお越しをお待ちしています。
元パティシエの料理長が作る絶品ダイナーデザートも、お見逃しなく!
2. 地域の活性化とブランディングを行うNPO法人TOKYO L.O.C.A.Lの拠点としての役割
TLBは敢えて夜の営業日を絞り、夜は通常のダイナーではなく「イベントでの貸出」にご利用いただけるお店として作ってあります。
荒川区に限らず、交流会や名産品のPR、地域コミュニティを創るための所謂「地域イベント」は日本中で開催されています。しかし大半は主催者の労力と有志の手弁当に頼った打ち上げ花火のようなイベントで、継続的に開催出来ていません。
会費は何円で料理は何を出して、機材は、スライドは、告知はどうするか、当日来場者が少ないと赤字が出てしまう。
主催者の重すぎる負担が地域イベントの開催頻度や継続的な取り組みを阻害していると、私たちは考えました。そこで「地域イベントパック」的なものを用意して、その負担を私たちが背負うことで、TLBが位置するエリアでの地域活性化に繋がるイベントを加速させ、収益金をプールして街づくりと街の盛り上げに繋げる活動を行います。
3. インキュベーション・カフェとしての役割
「COSA ON」はすぐ横に町屋支店を構える城北信用金庫さんが運営する地域活力創造拠点であり、TLBはその1階に出店します。
COSA ONの2階には、建物と合わせて城北信用金庫さんが運営するインキュベーションオフィスがあります。
創業者専用のレンタルオフィスとして、荒川区で創業する方を支援して、地域の仲間として迎え入れる。こちらのインキュベーションオフィスも荒川区全体の地域・産業活性化に大きく寄与する施設です。
(運営にはTLBは関与しません)
私たちはCOSA ONの一員として、TLBを「地域のコミュニティ拠点」として位置づけています。
創業者・経営者同士の交流の場として、展示会やテストマーケティングの会場として、COSA ONに人が集うことで、地域の産業やネットワークがどんどん拡がって、荒川区が活気あるビジネスの街として認識されるようになる。荒川区がもっと元気になる。そんな未来を目指して、TLBを活用していく予定です。
地域のコミュニティを繋ぐハブ・カフェとしての今後にご期待ください。
このように、インキュベーションオフィスと一体となって、単なる飲食店に留まらない全く新しい施設「COSA ON」に誕生したカフェ・ダイナー型のコミュニティ・スペース「TOKYO L.O.C.A.L BASE」。
ROOM810でもこのスペース及び店舗の有効活用、私たちが中核となって立ち上げたNPO法人TOKYO L.O.C.A.Lによる地域活性化や日本ではまだ馴染みが少ないエリアマネジメントを行うための基地、下町のブランディングを発信する基地として、当該施設を位置付け、BASEという名前にその決意を込めました。
私たちのインテリアデザインの代表作として、地域活性化の成功事例として、街のコミュニティの核となるハブのような空間として、ぜひTOKYO L.O.C.A.L BASEというROOM810の生きる作品をご覧ください。皆さまのお越しをお待ちしております。