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インテリアデザイナーへの道~ケイティの学びの日々~Vol.18

オフィスデザインスタジオ改修

ROOM810のケイティです☆

 

アシスタントデザイナーとして2年目を迎えた50sの私。
今年は現場目線から、私の学びの日々を毎月お伝えします!

前回は金町ラクレさんの店舗のインテリアデザイン・設計提案の流れについてお話しましたが、今回は銀座アパレル会社の撮影スペース改修のお話です。

今回、撮影スペースの改修工事をしたのは、銀座に本社のある株式会社サントラ―ジュさん

ROOM810では、5年前にサントラ―ジュさんの本社事務所(5・6階の2フロア)のリノベーションをいたしましたが、今回は5階フロアに新しいオリジナルブランド商品の社内展示及び撮影用スペースを作りたい!とのことで、ROOM810に再度お声かけ頂きました。

ありがとうございます✧˖°

 

本社オフィスデザインリノベーション

5年前に弊社でデザインしたオフィスリノベーション(6F)

 

サントラ―ジュさんは、服はもとより、バッグやアクセサリーといった雑貨や水着などの幅広いアイテムまで、お客様の頭の中にある曖昧なイメージを形にする事業(ODM)とともに、大手アパレルブランドのアパレル生産(OEM)も長年に渡ってされています。
※「ODM」は「Original Design Manufacturing(Manufacturer)」の略で、アパレルの「企画・設計・製造」までを依頼され、商品を生み出す一連の流れ全てを担うもの。「OEM」とは「Original Equipment Manufacturing」、または「Original Equipment Manufacturer」の略で、企業(または個人)から企画や設計図を持ち込まれたうえで、純粋に「製造」の部分を依頼されるもの。

1着の服ができあがるまでに、2~3回はサンプルを制作・検討を繰り返されるそうで、そのサンプル製作数は毎月300着位とのこと!
私がオフィスに伺った時も、5階フロアには色々なブランドのサンプル商品がたくさんストックされており、そのそばで皆さんが打合せされていました。
皆さんの打ち合わせはとても熱量があって楽しそう!
サントラ―ジュさんがお客様のご依頼内容を形にするために、社員の皆さんのクリエイティブさを結集してデザイン&製作されていると私は実感しました。

 

銀座にあるサントラ―ジュ

銀座にあるサントラージュさん本社(5・6階)

 

ちなみにROOM810がある町屋からは、千代田線→日比谷線の東銀座の歌舞伎座直結の出口からサントラ―ジュさんに向かいます。
この出口は歌舞伎座のお土産などを売っている地下1階広場に直結しているので、私はここを通るたびに歌舞伎座のお客様気分でちょっとウキウキしています!

 

ご依頼から工事・お引渡しまで

ご相談・ヒアリングについて

昨年の7月にUさんと一緒にサントラ―ジュさんにお伺いし、現在のオフィスの様子を拝見しながらお客様よりヒアリング。
コロナも落ち着き、新しい事業展開も見込んで今回新しいオリジナルブランド商品の社内展示及び撮影用スペースを作りたいとのことでした。
ご要望の中で、大きなポイントは次の4つ。

  1. 新しいブランド等の展示会に備えて、色々な雰囲気にアレンジしやすい撮影スペースを作りたい。
  2. どこでも撮影できるよう壁の色はホワイトにし、撮影スペースにはカーテンレール&カーテンも取り付けて、背景のアレンジをしたい。
  3. 既存のハンガーパイプは袖壁も含めて解体・撤去し、新しくおしゃれなディスプレイの方法を提案してほしい。
  4. 弊社が5年前に納品させて頂いたオリジナルテーブルの塗装枠を補修してほしい。

早速ご要望を会社に持ち帰り、改修提案&詳細設計をLondon在住のこっちゃんと一緒の進めていくことになりました。
こっちゃんはROOM810に以前勤務していたスタッフで、現在はLondonから日本に一時帰国しています。
こっちゃんはデザイン面でも設計面でもとっても頼もしい先輩で、私は色々な面で勉強させて頂いてます!

ROOM810 からの提案

まず最初に新しい撮影スペースについて、お客様と一緒に検討していきました。
フロア奥の打合せスペースとの境から窓までの約3mほどの既存壁が撮影背景としてちょうどいい大きさ!と判断し、ここに撮影スペースを作ることに決定。
さらに、打ち合わせスペースとの境の既存衝立を別の場所に移動し、ここに既存壁に直角に新規間仕切壁(ホワイト塗装)を立てることでL字型の撮影用壁を作り、カーテンレール&カーテンはここに壁付することに。
この特注サイズの大きなカーテンはサントラ―ジュさんの自社工場で製作していただくことになりました。(さすがです!)

 

平面PLAN

平面PLAN

 

塗装範囲

壁・柱の塗装範囲

 

撮影スペースの床は、通常、壁と同様のホワイトにすることが多いのですが、今回は撮影時にも使いやすく、靴汚れが目立ちにくい明るいグレー系モルタル調の床材をセレクト。
お掃除の際のストレスが少しでも軽減されるようにしました。
その他、塗装範囲はコンクリートの天井・梁を除く撮影に使用する壁部分のみにし、テーブルの補修範囲もキズなどが目立たない脚部を除いた天板枠のみに絞るなど、デザイン面に加えてご予算面にも配慮したご提案にいたしました。

新しいディスプレイ方法の導入

次に、既存のハンガーパイプの代わりに、どんなディスプレイ方法を新たにとりいれるかを検討しました。

アパレルショップで、洋服をディスプレイする際によく見かけるのは、棚柱にハンガーパイプを取り付けるタイプ。
ただ、壁面に棚柱が見えてくるので、撮影時にその棚柱がまわりの雰囲気をこわしてしまうのが難点でした。
※「棚柱」金属製の柱に一定間隔で棚受固定用の穴をあけたもので、棚受の金具部分を棚柱の穴に引っかける際に発生する音から「ガチャ柱」とも呼ばれるもの。

 

棚柱(ガチャ柱)

棚柱(ガチャ柱)

 

そこで私達が色々検討を重ねた結果たどり着いたのが、ワイヤー式のハンガーパイプシステムでした。

ワイヤー式ハンガーパイプシステムは、天井に取り付けたピクチャーレールから吊ったワイヤーで金属製の丸パイプの両端を吊るもの。
今回はΦ2.5mmの太めのワイヤーにしたので、パイプ1本(W1200mm)につき約84㎏相当の服などを掛けることができる、とてもしっかりした構造です。
加えて、商品の丈に合わせて簡単にポールの高さも細かく変更も可能で、使用しないときは天井から吊っているワイヤー&パイプごと取り外すこともできます!
何より、デザイン的にもシルバーのワイヤ―&ポールの雰囲気がとてもスタイリッシュ。

これらの機能面・デザイン面のポイントをお客様にもご説明したところ、これから新しいオリジナルブランドを発信していくサントラ―ジュさんの撮影スタジオにはピッタリとのことで、このワイヤー式ハンガーパイプをご採用いただきました。

 

ハンガーパイプシステムの図面

新しいディスプレイ方法:ハンガーパイプシステムのご提案

工事完了、無事完成!

工事期間は6月末から7月13日(木)の約2週間で、7月20日(木)からのサントラ―ジュさんの展示会までに余裕をもって工程を組みました。
サントラージュさんと工事内容のすり合わせを細かくしていたことや、お客様の方で工事前準備(サンプル等の整理など)して下さったおかげで、着工から工事はとてもスムーズに進み、工程通りに撮影スペースの改修工事が完成しました!
工事前後の写真はこちらです。

 

撮影スペースのBefore&After

撮影スペースの工事前・工事後

展示スペースの工事前・工事後

エントランス近くの展示スペースの工事前・工事簿

 

今回の改修工事で壁をホワイトに塗装したことで、全体的にとてもすっきりと広々とした空間になるとともに、あえてコンクリート仕上げのままにした天井・上部梁とホワイトの壁の組み合わせがとてもおしゃれな印象に。
また既存の袖壁とポールを取り払い、シルバーカラーでシャープなラインのワイヤー式ハンガーパイプシステムを取り入れたことで、とてもモダンでスタイリッシュな雰囲気に仕上がっています。
さらにこの細いワイヤーシステムは撮影の邪魔にならず、新しいブランド商品の様々なコンセプトに合わせた撮影イメージを作りやすくなっています。

この出来上がりを見て、お引渡しの際には、サントラ―ジュのみなさまから「この撮影スペースの仕上りはとてもいい感じ!」と喜んでいただきました。
また、7月20日から開催中の展示会でも、こちらのスペースは外部のお客様にもとても好評で、撮影もスムーズとのお話も伺い、私たちもとてもうれしく思っております!

このように、お客様のご要望をかなえるために、色々な面から丁寧にご提案を考えるのがROOM810のD.M.Y.K.(どうしたら、もっと、喜んでもらるか、考える)

今回は、サントラ―ジュさんの新しい撮影スペースについて、デザイン面・機能面・そしてご予算面など、あらゆる方向から考えてご提案することで、お客様にとても喜んでいただける空間を作り上げることができました。

 

次回はショールームの提案ついてお伝えします。

 

 

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