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日本橋オフィスビルテナント募集ポスター

オフィスビルの空きテナント解消に、マンションポエム型の大胆な交通広告

2020年 株式会社ROOM810

・グラフィックデザイン
>> 交通広告手配
>> ポスターデザイン
>> キャッチコピー
>> 広告コンセプト etc.

島 健:
ディレクション / キャッチコピー
伊藤 巧:
企画・営業
坂本 皐 / 鈴木ひかり:
グラフィックデザイン

テナント募集では珍しい交通広告方式を採用したマンションポエム型広告

これまでの日常が崩れ落ちて働き方から人との接し方まで大きな意識の改革を迫られたコロナ禍。
私たち広告のデザインに取り組む企業にも、これまでに従来持ち込まれたことが無かったような、様々な悩みや与件が持ち込まれ、現在進行形で試行錯誤の日々を過ごしています。
今日は、そんなコロナ禍で制作した交通広告(電車や地下鉄、バスなど公共の交通機関に於いて、乗り物や駅構内に掲出できる看板やポスターなどの広告を指します)のご紹介です。

中央区日本橋大伝馬町に位置するセイショウ日本橋ビル。
日本橋アドレス、駅近の好立地で、従来は空きがあってもすぐ埋まってしまって、テナント募集に広告を用いるなど考えたこともないビルだったそうですが、こちらも入居テナントさんがオフィスを縮小したり、サテライトオフィス構築を進めるなどコロナ禍特有の事情があり、ビルオーナーさんも初めてという「複数フロアに空きが出る」という異常事態を迎えました。

運営企業が元々私たちROOM810がブランディング契約を結んでいるクライアントということもあり、コロナ禍で空室の目立つホテルでも特徴的なプレスリリースをバズらせて20万RTや多数のメディア取材を獲得するなどかねてより「せっかくやるなら面白い広告を」という意向がありました。そこで、チャレンジしたのが通常既に完成しており、既存入居者もいるオフィスビルでは異例の「テナント募集の交通広告」という手法です。

意識したのは、「マンションポエム」と呼ばれる広告のパロディでした。
都心などのハイクラスなマンション、その入居者募集チラシなどに散見される「洗練の高台に、上質がそびえる」「人生に、南麻布という贈り物」といった「良くわからないが凄そう」をアピールする名調子がインターネットで「マンションポエム」と呼ばれて、一定の支持を集めているのはご存知の方も多いでしょう。

デザインも新築マンションの入居者募集チラシを意識して、通常ひとつの物件に対してひとつのキャッチコピーが当たり前である「マンションポエム」を敢えて、広告全体を埋め尽くすほどの数を用意して過剰にアピールすることで、パロディである、少し面白い奇をてらった広告であることを理解してもらう。

ここまでは「悪ふざけ」と言われても仕方ないギリギリの領域ですが、あれだけネットで話題になっても未だに多くの新築マンションでマンションポエムが採用されるからには、一定の効果があるのではないか。それは「地名+その場に住まう(働く)」ことを強くイメージさせることなのではないかという仮説を立てました。
当該物件が持つ日本橋という立地の良さ、様々な路線が使えるアクセス、そして街のキャラクターを効果的に利用することで、「空室にテナントを募集している」という極めて当たり前の広告を、何かひとつ上に押し上げることが出来るのではないか。そしてコロナ禍で不安を抱えながら電車に乗って通勤する人たちに何か笑いを届けられたら。

そんな思いで、大真面目に日本橋のマンションポエムを考えるデザインがスタートしました。

デザインというのは、極論すれば「既存の造形・広告から傾向を抽出して昇華する」取り組みです。

マンションポエムを研究する中で「邸宅と書いてレジデンスと読む」といったカタカナの送り仮名を使用したり、「その横浜は、本物か」など兎に角高みから高々と読み上げるポエムのような名調子に特徴があることがわかってきました。今回のケースでは、ただ「それっぽいマンションポエム」を採用するだけではなく、「パロディなのだ」ということも同時に伝えなければいけないため、この特徴と「近いけれども微妙に異なる」ポエムを混ぜ込むことで、広告の目的とパロディの双方を達成出来ないかと思案。
そこで生まれたのが、実際広告に使われた、以下のようなマンションポエムたちです。

・限りなく満室に近い空室。
・空室という聖域(サンクチュアリ)に棲まう。
・江戸の中心で空きを叫ぶ。
・愛のままにわがままに僕は君だけに貸し出したい。
・日本橋クラスになれば、仕事は向こうからやってくる。
・空室の頂きに舞い降りる。
・ガイアが俺にもっと貸し出せと囁いている。
・小さい空き、見つけた。

マンションポエムらしきキャッチコピーはもっとあったのですが、パロディ感をひと目で伝えるために、敢えてマンションポエム的ではない通常のポエム的なキャッチコピーの割合を増やして、このような配分にしました。

ここに「劇的空室GRAND OPEN」というこれまた新築マンションチラシにありそうな文言を広告の与件に合わせた内容にアレンジした文言を置いて、日本橋という地名を真ん中に据え、好条件をその周囲に配して完成です。
結果的に多くの方が足を留め、空きテナントの解消に繋がる広告となりました。一見ふざけていても、割と真面目に裏側では考えて広告を作っている。大きなメディアで大きな予算を掛けなくても、一オフィスビル規模でも練り上げればこうした広告施策は出来る。その好例となる広告事例です。

ただ広告をデザインするだけではなく、その作り方、展開の手法、当該企業にとってどのようなブランディングが正解かまでを考え抜き、キャッチフレーズや文言まですべて考えてトータルでデザインするのが、私たちROOM810の強みです。

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